第6回 「地域経済や雇用への影響」
 日本は7月23日、マレーシアで開催されているTPP(環太平洋戦略的経済連携協定)の交渉会合に初参加しました。甘利TPP相は、正式な交渉参加を表明するにあたり、日本の国益を守ることを誓い、「守るべきは守り、攻めるべきは攻める」と述べています。
 しかし政府は、ブルネイで8月22日から始まるTPPの交渉会合で、コメなど「重要5項目」の関税を守りたいと主張するのを見送る方向とのことです。

  「政府調達」の外国企業への開放による地域経済の崩壊

 すでに日本の政府・都道府県は、定められた基準の規模の「政府調達(※)」の入札に関して、外国企業にも門戸を開いています。しかし、TPP参加により、これまでは開放されていなかった市区町村の案件も外国企業に門戸が開かれます。さらに、調達の基準額も大幅に引き下げられ、小規模の公共事業も入札対象になります。この結果、地方の公共事業を通じて地域経済を支えてきた中小企業が、安い労働力を背景とした外国企業との熾烈な競争にさらされ、地域の経済と雇用
に大きな影響を与える可能性があります。
※「政府調達」:政府・地方自治体による物品やサービスの購入や施設の建設。
         多くの公共事業や公共サービスがこれに該当する。


他にも…
 東日本大震災後の復興がなかなか進んでいかない中、TPP参加によって、この復興事業のほとんどを、外国企業に持っていかれてしまう可能性が。
 本来であれば、復興事業は震災で打撃を受けた被災地の経済を復興させる原動力になるはずが、それがただ単に外国企業を肥え太らせるだけで終わってしまうことになります。


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「みずほ」 No.471
平成25年8月
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