農作業メモ


 収穫の秋となり農作業が繁忙期を迎える9月1日〜10月31日までの2カ月間、農作業事故を減少させようと実施されます。
 今春、農水省から発表された平成23年の農作業死亡事故のとりまとめによると、年間の死亡者は366人で、平成2年の継続的な調査開始以来最少となったそうです。
 秋の農作業も体調管理・安全確認をしっかり行い、農作業事故防止に努めましょう!




排水溝の再確認を

●かん水と排水
 開花期以降の水不足は莢数の減少や百粒重の低下、ちりめんじわ粒の発生を助長します。
 開花期(7月中旬)から9月上旬頃に3日以上晴天が続いた場合は、土壌の乾き具合に応じて畦間かん水を実施しましょう。葉のしおれや裏返りなどの症状が出る前に早めに対応しましょう。
 かん水は短時間で行い、ほ場全体に水が行き渡ったら、水口を止めて速やかに排水します。スムーズな排水のために、排水溝の掘り下げや溝の連結を確認してください。
●病害虫防除
 基本防除で紫斑病や虫害の発生を防ぎましょう。薬剤は葉の裏や莢に十分かかるよう散布してください。
●難防除雑草
 難防除雑草の早期発見に努め、発見したら直ちに防除(手取り、除草剤散布)しましょう。
  (マルバルコウ、マメアサガオ、アメリカアサガオ、イヌホオズキ類、ヒユ類等)

●ハダニの発生が見られたら
 ハダニによる葉の黄化が見られたら、発生状況に応じて防除しましょう。
  (ダニトロンフロアブル1、000倍/150リットル 収穫7日前まで)

●シュウレイに葉焼病の発生が見られたら
 Zボルドー(500倍/150リットル)を散布しましょう。




高温日が続き、成熟期が早まっているため、
       収穫等適期作業に努めよう!!


 今年は高温日が続いています。水不足に注意して出穂後20日間は湛水管理とし、葉色の維持・向上に努めましょう。水管理をしっかり行うことで白未熟粒や胴割粒を防ぎましょう。
 また、例年よりも成熟期が早まると予想されますので、刈り遅れのないよう収穫の準備を早めに行いましょう。

品質を高める水管理
 水分不足の田んぼは、白未熟粒や胴割粒の発生が多くなります。登熟期間は、水管理を徹底して稲の元気を守りましょう。

1.出穂後20日間は、稲の活力維持とカドミウム吸収抑制のために水を溜めたままにします。水尻はしっかり止めて水深2~3センチとし、地面が露出しないよう湛水状態を保ちましょう。

2.その後は『3日水を溜めて3日干す』間断かん水を続けて、水分を適正にします。これは田んぼに酸素を供給する役割も果たしています。

3.フェーンや台風などが予想される場合は事前に入水しておきましょう。

4.落水はあまり早く始めると白未熟粒の発生につながります。刈り取りの7日前以降から干すようにしましょう。


●適期での刈り取りを
 早刈りは青米が多くなり乾燥ムラの原因になる一方、刈り遅れは玄米の光沢が悪く胴割れも多くなり、等級が落ちやすくなります。
  良質な米にするためには、適期内に刈り終えることが重要です。刈り取りの適期は、全籾の85~90%が黄化した(熟した)頃といわれ、品質や食味も良いとされています。


 天候やほ場の生育状況を把握し、農作業特報や各地区に掲示される適期刈取表示票を参考にして、刈取日を決めてください。
 また、刈り取る量を乾燥機の能力に見合った分に調整して、生籾を乾燥待ちにさせないことも大切です。


●事前点検でゆとりの作業
 作業当日に「故障で困った!」とならないよう、事前にコンバインやグレンコンテナ、乾燥機などの点検をしておきましょう。

●乾燥機の掃除は念入りに
 1年ぶりに作動させる乾燥機には、思いもよらぬゴミやほこり、ねずみの糞が付着していることがあります。異物混入防止のため、掃除は細かいところまで念入りに行いましょう。

●刈り取り作業
 刈り取り作業は、つゆが落ちて籾がさらさらになってから開始しましょう。ぬれた状態で刈り始めると、脱プ米や肌ズレ米などの原因になります。
 刈り取り前には種を持つ雑草(クサネムなど)を田んぼから除去し、異物混入を防ぎましょう。特に倒伏した田んぼは石・砂を巻き込む可能性が高いので注意してください。


●別扱いで高品質に
 水口や水尻の少し青めの稲や倒伏した部分、変色や斑点が見られる稲は、刈り取りから調製まで別扱いにし、被害のない籾と混合しないようにしましょう。

乾燥調製
 刈ったら速やかに乾燥機へ入れ、送風してください。刈り取った籾をそのまま放置すると、籾自身の熱と水分でヤケ米になります。
 乾燥機へ入れたあとは送風循環機能を使うなどして急激な乾燥をしないようにしましょう。特に外気温が高い日は、乾燥温度を下げるなどしてください。
 停止水分は、青米の混入率で決定してください。初期水分が25%以上と高い場合は、低い送風温度(45℃以下)で乾燥します。
 17%を切ったら15~20分間隔で、手動の水分計でこまめにチェックして14.5~15%の水分に仕上げましょう。



農作業安全
秋の刈り取りの際、事故が起こらないよう十分気を付けましょう!









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「みずほ」 No.471
平成25年8月
発行:黒部農業協同組合
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