不祥事再発防止策の取組み状況報告
信頼回復へ、内部管理態勢と法令遵守を強化黒部農協は不祥事の発生により平成26年6月に富山県知事に提出した不祥事再発防止策(農協だより「みずほ」7月号に詳細を掲載)に従い、役職員の法令遵守の徹底と内部管理態勢の強化に取り組んでいます。
取組み状況は、毎月、不祥事再発防止対策委員会で審議し、理事会の承認を経て富山県へ報告しています。これまでの不祥事再発防止策の取組み、実践状況を報告いたします。 組合員や利用者の皆様にご心配とご迷惑をおかけしたことに対し、心からお詫び申し上げますとともに、今後とも皆様のご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げます。
1.法令遵守にかかる経営責任の明確化
役員の経営責任を明確にするため、5月に「役員倫理規程」を制定し、役員が違反行為を行った場合、報酬や退職慰労金の返納・辞任・解任など勧告を行うことなど、役員の懲戒事由や処罰など明確にしました。
また、6月に指導機関も含めた委員で構成する「不祥事再発防止対策委員会」を設置し、毎月、不祥事再発防止策の取組み状況を検証し、結果を理事会及び富山県へ報告しています。
2.理事会、監事会による経営監視・牽制が適正に機能する経営管理態勢の構築
(1)6月から執行体制を刷新し、新たにコンプライアンス担当理事を選任いたしました。
(2)役員には会議資料を事前に配布し、理事会等で十分に協議・検討する体制をとり、理解の深耕と合意形成に努めています。
(3)常勤理事は、自ら理事会で提案理由を説明し、決定事項は所管部署あるいは全部署へ周知・徹底するなど、責任をもって業務執行にあたっています。
(4)役員は、富山県常例査機構監査等の指摘事項について該当部署に対し改善方針を示し、方針に則った改善計画書( 処理・顛末報告書)のもと、指摘事項の改善に取り組んでいます。
▽富山県常例検査 4月24日~6月27日
顛末報告 8月28日(理事会承認)
▽監事監査(第1・四半期) 5月27日~ 5月29日
顛末報告 7月30日(理事会承認)▽監事監査(上半期)
8月18日~ 8月22日 顛末報告
10月28日(理事会承認)
▽全国監査機構期中監査 8月25日~ 8月29日
顛末報告
10月28日(理事会報告)
(5)監事は毎月1回、監事会において理事の職務執行や監査指摘事項の改善状況等について検討し、理事会に対し意見を提言しています。また、改善処理事項や経過の報告を求めるほか、定期的に(四半期に一度)監事会と常勤理事とが意見交換を行うなど、監事は理事の職務執行を監視しています。
(6)職員からの情報提供を受けやすい環境を整備するため、本店と営農センター及び各支店に「目安箱」を設置し、また、常勤監事直通電話を設置しました。
3.経営陣が率先して誠実に法令遵守に取組む経営姿勢の明確化と組合全体の法令遵守体制の確立
(1)6月の総代説明会や農協だより・ホームページで、今回の不祥事並びに講じた不祥事再発防止策について説明を行い、職員には会議や研修会を通じて周知し、役職員が一体となった法令等遵守の取組みを進めています。
(2)今回の不祥事再発防止策を受けて、コンプライアンス・プログラムの一部を変更し、子会社に対しても同様にコンプライアンス・プログラムを策定するよう指示し、組織を挙げて法令遵守の取組みを強化しています。
(3)常勤・非常勤、理事・監事を問わず、役員は積極的に外部研修会に参加し、コンプライアンスに対する見識を高めています。研修会で習得した重要事項等は部門別あるいは店舗・部署毎の会議で周知し、職員全体の意識向上に繋げています。また、理事は全店舗を対象に毎週一回不定期に職場を巡回し、職員との意思疎通を図るとともに、経営理念や経営方針を伝え、職場風土の改善に努めています。
(4)職員は、従来にも増して法令等遵守の意識向上を図るため、農協中央会や農林中央金庫など関係機関が主催する研修に積極的に参加しています。また、部門毎の内部会議や朝礼・終礼等の時間を利用してコンプライアンスについて学習しています。
4.適切な人事管理方針の策定と実施
(1)職員の同一部署・同一業務の長期滞留を解消するため、原則として信用事業担当者は3年~4年、その他の職員にあっては5年を目途に配置転換し、渉外担当者は経験年数や訪問先数等を考慮のうえ設定します。また、専門の技術を持ち業務に従事する職員は一定期間で受持ち地区を変更するなど、内部統制を重視した人事ローテーションを実施します。
(2)当組合では、不祥事などの事故を未然に防止し、健全な事業運営を目的に、各職場で「連続職場離脱」を実施しています。当年度に採用した職員(中途採用含む)など一部を除き全職員を対象としており、職場離脱の間に業務が統一基準に基づき適正に実施されているかを点検・確認しています。100パーセントの実施と実効性の確保に努めています。
(3)役員は全管理職と面談を行い、事務知識、検証能力等をチェックしています。また、成績・能力・態度のほか規律に関する考課要素を盛り込んだ人事考課を実施し、職員個々の適性と牽制機能の強化を重視した職員人事を行います。さらに、職員は人事異動があった場合のみならず、職務分担の変更があった場合にも事務引継を徹底するよう、また、事務引継の際には懸案事項や監査・検査の留意事項なども記載するよう事務取扱要領を一部変更いたしました。
5.適正な受託会計事務処理の徹底
(1)今回の不祥事の発生の大きな原因は、組織会計事務取扱要領に基づかない会計受託を行っていたことであり、職員が預かっていた通帳等の一斉点検を行い、7月末までに終了しています。
(2)その後、組織会計受託事務の周知状況や組織会計受託の必要性を報告し、組織との事務受委託契約締結について委員会の承認を得ました。また、組織の現状等を考慮し契約締結不要と判断された先については口座の印鑑・通帳を該当組織に返却いたしました。
(3)職員には組織会計事務取扱要領に規定する内容を周知し、適正に事務処理するよう指示いたしました。特に、受託会計の担当部署職員並びに金融担当者・管理職員には研修会を開催し、通帳や印鑑の管理、入金・出金の手続き、関係書類の保管方法など一連の処理等について指導いたしました。また、その後、内部監査や関係機関の立入り検査が実施され、適正に処理されていることを確認しています。今後も適正な受託会計事務処理と厳格な確認・検証を継続いたします。
6.厳正な事務処理の実施と自主点検による問題点の早期解決
(1)関係機関・指導機関の立入り検査で、前回不祥事再発防止策のうち、定着しているものの一部、不備が再発生していると指摘を受けた項目(現金・現物・重要用紙の管理、受取書を利用した集金、ATM用現金の複数人による補填・回収・精査など)については、再発防止のため自店検査(全部署において、自分たちで項目を定め検査を行う制度)を強化し、精度を高めて日々の確認・月次確認を徹底しています。また、内部監査部署やコンプライアンス統括部署の監査・モニタリングにおいて定期的に検証しています。さらに、農林中央金庫が実施する事務堅確性向上運動と連動し、事務ミス報告制度を導入し、報告された事務ミスや改善策等の内容を全部署に速やかに周知し、再発防止に取り組んでいます。
7.内部監査等の監査機能の強化
(1)内部監査機能を強化するため、外部研修会に積極的に参加し資質向上を図っています。また、内部監査有資格者を増やすため本年度は6名の職員が内部監査士研修(12月)を受講することとしています。
(2)第2・4半期においては、組織会計受託関係・不祥事再発防止策の取組み・再発防止策重点項目などを主な検証項目として無通告で内部監査を実施し、監査結果を理事会に報告いたしました。また、富山県常例検査で指摘を受けた項目については特別監査を実施しています。今後も、実効性のある内部監査態勢を継続いたします。
8.不祥事発生時の報告態勢の整備
(1)万が一、不祥事等が発生した場合、速やかな対応ができるよう報告ルートをフローチャート化した不祥事対応体制やヘルプライン(内部通報制度)について改めて職員に周知いたしました。また、従来から本店各部署と各支店にコンプライアンス責任者及び担当者を定め、法令等遵守の強化に取り組んでいます。
(2)組合員や利用者から寄せられた苦情・相談には適切に対応するとともに、不祥事の可能性について検証し、その内容及び対応を全部署に周知し、四半期ごとに理事会へ報告しています。
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