第46回通常総代会

信頼回復へ、法令遵守の徹底と綱紀粛正を
第46回通常総代会を開催、十議案と特別決議案を可決



 4月26日、黒部市国際文化センター・コラーレで第46回通常総代会を開催し、総代総数493名のうち377名(本人出席296名、委任出席6名、書面議決75名)の出席総代により議案が審議され、平成25年度の業務報告や中期3カ年計画、定款の一部変更、26年度事業計画、役員補欠選任など、上程された10議案はすべて原案通り可決承認されました。

 開会の挨拶に立った林組合長は、「受託業務における不祥事について、組合員や地域住民の信頼を大きく裏切る行為で衷心よりお詫び申し上げます。深く反省するとともに、今後は、役職員が一体となって再発防止と綱紀の粛正・信頼回復に誠心誠意取り組んでまいります」と陳謝しました。
 また、現在、不祥事調査委員会を設置し経過・原因等の全容究明にあたっていることを報告し、「弁護士や指導機関など第三者が中心となって構成する役員責任調査委員会において、自身の責任も含め、当時の常勤役員の責任を明確にして厳正に対処した上で、改めて、組合員や利用者の皆様に説明の場を設けます」と述べました。
 さらに、厳しい農業情勢について触れ、「農業基盤の脆弱化が進んでいることや経営所得安定対策・生産調整の見直しなどがJA経営に少なからず影響を及ぼすのではないかと懸念される中、新たに策定した地域農業振興計画を着実に実践し、安心・安全な農畜産物の生産と管内農業の中心である水稲については、基本技術の指導を徹底し良食味の名水の里・黒部米の有利販売に努めて参りたい」と述べました。
 中谷黒部市副市長から祝辞があり、祝電披露の後、議長に東布施地区の藤森一男総代を選出し議事に入りました。
 第1号議案・平成25年度の業務報告に関する審議では、総代から、不祥事に関する詳細な説明や専務理事が代わった理由の説明を求める意見や、長期にわたり報告しなかった責任として経営の刷新と経営者の辞任を求める意見が出され、当局から、不祥事調査委員会の調査結果がまとまり、役員責任調査委員会において責任が明確にされ次第、改めて、説明・報告の場を設けるとの答弁がありました。
 また、剰余金の処分では年2パーセントの出資配当案が原案通り承認されました。
 このほか、各種取引から反社会的勢力を排除するための定款の一部変更が承認され、向こう3カ年の経営指針となる中期計画・地域農業振興計画、これを基本とした26年度事業計画と関連議案の審議では、次年度以降のたいへん厳しい損益計画について、役職員が全力で事業推進に取り組むよう求める声があり、また、農地の減少を危惧する意見や地産地消とコメの消費拡大・地域活性化の観点から農産物加工場の設置について要望が出されました。理事の役員補欠選任では、愛本地区の立﨑達彦氏が投票により選任されました。
 最後に、TPP交渉における国会決議の実現と基本農政の確立に向けた特別決議を出席総代の満場の拍手で採択し、通常総代会を終了しました。

各支店で事前説明会を開催

4月12日、13日の両日、支店ごとに第46回通常総代会事前説明会が開催されました。以下、質疑応答の主な内容をお知らせいたします。

不祥事について
[ 質] 今回の不祥事が2年間も経ってから報告されているのはなぜか。
[ 質] 1回目の発覚の時に、なぜ、きちんと処理しなかったのか。
[ 答] 信用・共済事業に関係する不祥事と重なり、冷静な判断ができなかったことが1番の原因です。対応を誤ったことで報告が長期にわたり遅れてしまいました。
[質] 役員のコンプライアンス意識が間違っているのではないか。こういうことが度々起こると信用できなくなる。
[答] 執行部の責任は非常に重いと感じています。組合員をはじめ利用者や地域住民の皆様にたいへんなご迷惑とご心配をおかけしましたことを心よりお詫び申し上げます。
[質] 毎年毎年、利益ばかり見ているからこうなる。今度こそないというが、信用できない。監査の状況はどうだったのか。
[答] 二年前の不祥事発覚の対応として再発防止策を策定し、役職員一体となって取り組んできたところです。監事にはこの不祥事については全く知らされていませんでした。受託会計事務を理解していなかったことも原因であり、早急に研修会の実施等対応いたします。

[質] 受託会計は農協事業と関係がないと言えるのか。
[答] 組合員等で組織する団体の事務を受託し、その中で会計業務の実務も行っています。農協と関係ないということではありません。
[質] 職員のコンプライアンス意識が欠如していたというが、これを発表しなかった役員に法令遵守の欠如はなかったのか。執行部の責任である。
[答] 冷静な判断を欠く対応は弁解の余地もなく、責任は重いと受け止めています。
[質] 当事者に刑事責任を取らせるという考え方はないのか。
[答] 被害金額は全額返済されており、また、関係者の皆様へ謝罪にも回っているということなどから、告訴等については考えていません。
[質] 内部告発制度はないのか。
[答] 内部通報制度はありますが、機能していなかったということです。
[質] 職員に対して、どういう体制でどういう教育・指導をしてきたのか。どのようにして農協組織をつくり直すのか、そういったことをしっかりと考えてもらいたい。
[答] 責任の重大さは十分承知しています。再発防止策は前回策定した47項目があり、コンプライアンス委員会において、また、再発防止対策委員会も設置するなどして、実効性が上がるよう、鋭意、法令遵守に努めます。
[質] 何故、不祥事が再発するのか。体制が甘いのではないか。そんないい加減な仕事をしているのか。
[答] 信用・共済にかかる不祥事が発覚した直後であり、冷静な判断ができなかった責任は重いと感じています。
[質] 2年経って、申し訳ありませんでした、で済むと思うか。執行部は総辞職すべきだ。我々農家を騙していたということになる。執行部と一部の幹部職員のみがこのことを知っていたというのは、我々農家には関係ない。私は知らなかったので責任はない、で通る話ではない。
[質] 2年間も不祥事が上がってこないという組織は非常に危険である。
[質] 不祥事について詳細を究明し、どこに問題があったのか明確にしていないからまた起きたのだ。職員に対する管理監督が甘い。農協という組織自体を見直さないといけない。
[質] 当事者は解雇したのではないか。
[答] 自己都合による退職としており、今後、退職金の返還を求めていきます。

営農指導・経済事業関係

[質] 中期3カ年計画にある米の食味による区分管理とはどういうことか。
[答] 消費地から、地域団体商標登録が取れているとは言え、最近、黒部米の食味が落ちているという指摘と評価も悪くなってきている実態があり、黒部米の食味を底上げする狙いから計画しているものです。1等米・2等米といった区分だけではなく、倉庫内で食味値によりSランク・Aランクなどと品質を区分し、黒部米の直接販売を有利に進めて皆様方への安定的な還元に結び付けたいと考えています。
[質] 生産者は営農指導員の技術指導の下に水稲栽培を行っている。25年産米の1等米比率が低下した原因を把握し、徹底的に指導をお願いしたい。
[答] 関係機関とも連携し、1つひとつの原因を分析し、また、異常気象にも対応できるよう、今年度の産米指針に反映させていきます。
[質] 生産資材の価格が民間と全然違う。どうして安く仕入れないのか。わざわざ高く売っているのか。
[答] 肥料・農薬の大部分は全農から仕入れており、決して高く売っているわけではありません。水稲の肥料等については新川管内でも比較的安価となっているのではとみています。定められた手数料率で価格を設定していますが、近隣の状況等も調査いたします。また、全農でも流通経費の削減に努めているとは思いますが、こうした意見があるということを繋いでいきます。
[質] 日本型直接支払制度について具体的な説明をお願いしたい。
[答] これまで行っていた、農地・水・環境事業は、農業者と地域住民で構成され組織活動を行うことでありましたが、今般、制定された、日本型直接支払制度の「農地維持支払」では、農業者で構成された組織にて、農地の保全「江ざらい」や農道の「草刈り」等を常日頃から基礎的保全活動として、行った事に対し支援を受けられるということであります。手続き等も簡単にできると聞いており、詳細については、後日、ご説明いたします。

信用・共済事業について


[質] 農協には団体保険というものがないのか。
[答] 当組合では、共栄火災のあんしん倶楽部という共済があります。黒部農協が元受になり共栄火災と契約しています。傷害共済・死亡共済・後遺障害共済が付いています。
[質] 今年度、国債の購入計画が約19億円と昨年の10倍位になっている理由は何か。
[答] 注記表に記載する通り、本年度は満期目的で保有していた有価証券が約21億円余り償還となります。このことから今年度の資金運用のうち有価証券の取得を19億円ほど計画したところです。

総務・管理関係について


[質] 25年度の剰余金は素晴らしい成績を残したが、26年度は今年度の3分の1程度の計画になっている。もう少し、厳しい考え方をもって計画策定に
あたるべきだ。
[答] 何度も計画を練り直した結果、このような数値を提案しています。今年度の実績対比で大きく落ち込むのが信用事業であり、超低金利政策が続いているという情勢の中、運用益の確保がなかなか難しいという現状があります。特に、預金利息の減少が大きな要因であります。また、25年度は資産査定上の貸倒引当金の戻入が収益を押し上げたという要因もあります。26年度は最低でもこれだけの目標を達成するという気持ちで、役職員1体となった取り組みをしてまいります。
[質] 正組合員の減少は、農協経営に影響があるのではないか。
[答] 25年度は正組合員は増加していますが、ここ数年は減少傾向にあります。相続や地区外移転等の関係から、また、農協を利用しないという理由からの減少があります。もちろん、組合員の減少は組織基盤・財務基盤に大きく影響するところであり、中期計画においては28年度末までに正准合わせ7400名を目標として、組合員の加入促進に取り組む計画を立てています。
[質] JAくろべが求める職員像が記載されているが、昨年から今年にかけて中途退職した職員が多数いる。中間管理職になるべき職員がいなくなったためか、支店へ行っても勉強不足で理解できていない職員が多い。もう少し専門職員の育成に力を入れてほしい。また、職員が、農協に勤めていてよかった、生涯、農協で働こうと思うような体制づくりをしてもらいたい。
[答] 指摘の通り、ここ数年中途退職者が増えています。理由は様々ですが、職場環境もその一因にあると思われます。中途退職者が多数出て、また、新規採用がなかった時代もあり、若い世代を教育・指導する立場の職員が少ないということは否めません。今後、職員教育により一層努め、皆様の期待に応えられる人材の確保、育成を図ります。
[質] 固定資産の主な取得明細に、子会社の固定資産に関する取得が今年も22年・24年も記載してある。その固定資産はどこが取得したのか。また、それは現在どう評価されて
いるのか。
[答] 指摘の固定資産はカトレアホールに関する資産の取得であり、黒部農協の固定資産に計上しています。また、減価償却資産は税法上の償却率を用いて償却しています。






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「みずほ」 No.480
平成26年5月
発行:黒部農業協同組合
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編集:みずほ編集委員会