農作業メモ
計画的な育苗計画を立て、老化苗を防止しましょう!今年も高温期の登熟を避けるために、県では『5月15日を中心とした田植え』と「作期分散」を呼びかけています。田植え時期に合わせた計画的な育苗作業を行い、老化苗を防止しましょう。異常気象による品質低下を防ぐために早生「てんたかく」や「てんこもり」、直播栽培などを取り入れましょう。消毒・浸種作業も苗の完成時期を見据えて開始しましょう。
●種子更新は必ず行う
10aあたりの必要量は、乾燥籾で3㎏です。それぞれの品種の純度をまもり、育苗時期の病害を防ぐため必ず種子更新を行ってください。
●種子の消毒
モミガードCドライフロアブル100gを20ℓの水に溶かして、種子10㎏を浸します。24時間浸けこみましょう。
※昨年まで使用していたテクリードCフロアブルは、もみ枯細菌病に対しての効果が不安定のため、今年度よりモミガードCドライフロアブルに変更となりました。(テクリードCフロアブルの在庫がある方は、今年度中に使用してください。ただし、混用して使用しないでください。)
●浸種はしっかりと
確実な芽出しにつながるよう、浸種処理については次の点に留意して作業を行ってください。水温は10℃~15℃で行いましょう。積算温度で100℃です。2日に1回は水の入れ替えを行い、酸素不足を防ぎましょう。
●催芽
温度と酸素を与え、ハト胸状態の籾の芽を2㎜程度に揃えます。育苗器の場合は、30℃で24時間程度です。必ず芽の長さを確認して播種作業を行いましょう。
●播種作業
床土は苗箱1枚あたり、深さ2㎝で4㎏です。かん水は800㎖です。種籾は、乾籾で120g用意しましょう。手につかない程度まで乾かし事前に試しまきを行い量を確認しましょう。覆土は1㎏です。箱のへりから1~2㎜程度低い位置まで覆土しましょう。
「黒部米」づくりには土づくりが欠かせません。昨年の秋に土壌改良資材を散布していない圃場には、耕起前に必ず散布しましょう。
特に、カントリーエレベーターや大布施共同乾燥場の利用を予定している方は、申し込み時に土改材の散布を確認させていただいていますので、忘れず散布願います。
●深耕による作土層の拡大
作土層を深くすると根域が拡大し、高温や倒伏に強くなり、収量・品質が向上します。耕起は、トラクターの速度を落としてゆっくりと耕起し、作土の深さを15㎝以上確保しましょう。
圃場の排水を徹底!
融雪水や雨水がたまったままになっていると、根の張りが悪くなり、生育全体に悪影響が出ます。
冬の間に崩れた排水溝の手直しを行い、排水対策を徹底してください。
4月に入ると、止葉が出てきます。麦体の中には既に幼穂が形成されています。この時期に施用する追肥を止葉展開期追肥といいます。粒を肥大させ充実度を高める効果があり、収量や品質に大きく作用します。施用量や施用日の目安は麦特報に掲載しますので参考にしてください。
なお、根張りが悪いと、この追肥の効果がうまく発揮されません。先述の排水対策とあわせて行ってください。
今年は、積雪が少なく葉齢の展開・幼穂長は昨年並みとなっています。追肥の施用など遅れないように注意しましょう。
農繁期に入ると農業機械を利用する頻度が高くなってきます。作業効率や利便性が高い農業機械は、現代農業に欠かせないものといえます。反面、使い方を一歩誤ると重大な事故につながる危険性をはらんでいます。
農作業事故は、あせりや油断があれば熟練者でも起こり得ます。高齢者の方は加齢によりとっさの判断力などの心身機能、体力が低下していることを認識して、よりいっそう余裕を持った農作業を心掛けましょう。また、万一に備えて労災保険などの加入をオススメします。